2017年10月20日、DOKOKA KITANO-HOU(ドコカキタノホウ) の2018年春夏コレクションの展 示会が渋谷TOCビルの一室で開催され、新作発表がなされた。今シーズンのコレクションテーマ は「lucent」。湖の輝きに着目したとデザイナーの楠原麻由氏はいう。
「日が陰り少し薄暗く、あたりが無彩色に変わっていく森林の中、見慣れない一人の女性が佇ん でいる。湖のそばで澄んだ風を肌で感じながら、抑圧された生活からひと時の安らぎを求めてい るよう。彼女は日常に感じる一瞬の切なさを、自然の風に重ねながら”どこか北のほう”に想いを馳 せていく」
これはブランド名「DOKOKA KITANO-HOU」の由来について、デザイナーの楠原氏に尋ねた際に 筆者が解釈した情景である。DOKOKA KITANO-HOUがイメージする人物像は、都会の生活の緊張 の中でふっと空っぽになる一瞬の切なさ、安らぐ自然の中でも、何もない静かな時に一瞬交じわ る寂しさ、異なる環境でも共通する感情に心惹かれている女性が浮かんできた。どこか北の方とは特定の地域を設けておらず、それぞれで解釈してほしいという意味が込めら れている。抽象的だが共感できる方はいるだろう。
コレクションは都会と自然の交差を、オリジナルプリントや天然素材と人工素材と加工の組合わ せで構成して表現している。中でも幾何学に空いたレースを手作業でムラ染めして、湖の輝き、自 然の美しさを表現したドレスは今シーズンの象徴である。またドレスアップとリラックスの時で も着られるアイテムが混在しており、日常に合わせながらも着飾ることを意識した女性らしいコレ クションとなっている。
Brand: DOKOKA KITANO-HOU