2017年10月16日、ファッションの祭典「Amazon Fashion Week TOKYO」でYOHEI OHNO(ヨウ ヘイ オオノ)の2018年春夏コレクションショーが発表された。「ものを作る喜び」をテーマに、 素材屋に行った時に感じた”ワクワクする気持ち”というものづくりの原点に戻り表現したとデザイ ナーの大野陽平氏はいう。
多くメディアはYOHEI OHNOを表す言葉として「未来」を使っている。それは、素材の使い方と 服の作り方が他のデザイナーとは異なった手法のため”未来の服”のように感じるのではないかと筆 者は考える。まずは洋服に使っている素材とアイテムを見ると、素材は肉厚で光沢のあるエナメル 質でサイズやシルエットを調節できるドローコードがついている。ドレスとしては珍しいものを 使用。シャツはクリップを用いて袖の脱着が可能な作りになっており、利便性ではなく服として あえて作り込んでいない余白のように感じた。これに対しデザイナー大野陽平氏は「アイテム一つ ずつの着方を自由に解釈してほしい」とコメント。 カスタムできる自由度と珍しい素材による新しい造形が”未来感”を醸し出している。大野氏は、素 材を見て型を作った後、着れるようにデザインするという。デザインが服以外のところからスター トしており、その発想の手順が他とは違う造形を生み出している。
「服を作る工程をプロダクトする」がコンセプトのYOHEI OHNO。過去にはヒートカットしても ほつれが出ないボンディング素材を用いて、縫う工程を簡略化したアイテムを発表。服作りは難 しいという価値観からハードルを下げる提案で注目を浴びた。前シーズンまでは1点ごとでプロダ クトへのこだわりを見せていたが、今シーズンはコレクション全体で着る人がもっと身近に感じ るようなアイテムが多い。例えば赤、青、紺色と手に取りやすいカラーを採用。シルバーのアイテ ムやロンググローブなど、YOHEI OHNOを象徴するアイテムは引き続き揃えつつも、可愛い印象 の強い、ドット柄を合わせるなど、これまでのYOHEI OHNOにはなかったわかりやすい素材を使 う事で新しい一面を見せている。
Brand: YOHEI OHNO
