2020年3月、kaiki(カイキ) 2020年秋冬コレクションの展示会が渋谷ヒカリエにて開催され、新作発表が行われた。
今期はブランドとして5年目を迎えたため、節目として、初めて映像作品を投影したインスタレーションを行なった。「今期は同窓会のようなコレクションにしたいと考えた」とデザイナー飯尾氏はコメント。飯尾氏の友人や影響を受けたアーティスト、作家をはじめ、これまで関係してきた人々がコレクションに関わっている。例えば、ブランドとして初めて2020年秋冬コレクションで展開するニットは、学生時代からの友人であるアーティスト山上晃葉氏が描いた絵をモチーフにしたコラボレーション作品である。また映像作品は、udocorg (鵜戸庚司)氏が担当。鵜戸氏は SHOWstudio Fashion Film Award 2019にて優勝した実力のある作家である。そしてフォトグラファーは、2019AWコレクションからkaikiのイメージヴィジュアルの撮影を担当している青木 柊野氏。その撮影会場には、kaikiの取扱店でもあるセレクトショップ、「デスペラード」を選んだ。縁のある人や場所と取り入れた、kaikiらしいメモリアルなコレクションとなっていた。
アイテムは、ゆったりとしたシルエットでも、ウエストを絞ったり、ジャケットの丈を短くすることで少し女性らしさを醸し出すkaikiらしいものが揃うが、山上氏とコラボしたニットはkaikiは珍しいビビットな色で、ユニセックスで着られるシルエット。ジャケットの襟はメンズジャケットの仕様を取り入れた作り方をしており、少しずつメンズ要素を表に出す新しい一面も登場した。
筆者がオススメするのは光沢のあるスカート。光の当たり方で表情が変わる特殊な加工が施された生地を活かした立体的なシルエットである。
Brand: kaiki