2020年2月、YOHEI OHNO(ヨウヘイオオノ)の2020年秋冬コレクションが渋谷のとある一室で発表された。
今期のコレクションでは、YOHEI OHNOの特徴的な、構築的な”服のフォルム”がブランドの象徴となり、定着してきている印象を受けた。ベージュ、ブラック、ホワイト、グレーなどベーシックな色が揃い、フォーマルな場所からプライベートの時間にも様々なオケージョンで取り入れやすいカラーバリエーションだ。
ブランドの公式インスタグラムには、マン・レイの作品がアップされていて、今期のコレクション制作にインスピレーションを受けたものとみられる。クラシカルな形とモダンな表現に重きを置いているマン・レイと重なると感じたのは、例えばポンチョがついたドレス。ポンチョを止める金具で違いを魅せたり、ノーカラーワンピースは、袖にタックをつけてボリュームを出し、裾にはスリットを入れたところ。またフェンシングスーツからインスピレーションを得たパンツ。ホワイトのコーデュロイ生地を使いエレガントに仕上げている。ブランドとして新しいデザインの服には、クラシックなフォルムに感じるクールな表現の中に、フェミニンなデザインを取り入れている。
また今期もメインコレクションのラインに加えて、ドレスラインを発表。前回はブラックのみで展開していたが、今回はベージュ、サーモンピンクのアイテムも展開。前回からベースとなるデザインを継続しているが、メインコレクションよりもシックでドレッシーなものとなっている。生地やカラーバリエーションを変えていくことで、コレクションの捉える角度を変え、私たちのリアルクローズに定着させていっているのだろうと筆者は考える。デザイナー大野氏の言葉を借りるならば、ブランドとして”熟成させる”ことを改めて感じた。
Brand: YOHEI OHNO