2019年10月、tactor(タクター)の2020年春夏コレクションの展示会が渋谷にあるビルの一室 にて開催され、新作発表がなされた。 テーマは「Refined out loud」。
今期は筆者が初めてtactorを拝見した時と比べて、全体的に柔らかい印象を受ける。グラフ ィック、箔プリントなどのtactorらしい表現は復活しつつも、前面に押し出さずプリントを 部分的にしたり、Tシャツという身近なアイテムに用いたりと、これまでより肩の力を抜い たコレクションだと感じた。
デザイナー山本氏はブランドらしさとは何かを考えるきっかけがあったという。デザイナー としてブランドを俯瞰して見たとき、自身のクリエイションを届けたいという思いよりも、 お客様にどういったところに良さとブランドらしさを感じてもらえているのか振り返ったそ うだ。そこで今ならそれを洗練させ新しいお客様にもブランドらしさがわかるようにできる と今回はファーストコレクションから見直した。そんな意味を込めて今シーズンのテーマを 「Refined(洗練された)out loud(はっきりと、大げさに)」と名付けた。
ポイントはデザイナーの思い入れの強いアイテムだけでなく、少し力を抜いて感覚的に可愛 いと思えるデザインを今期コレクションに採用したところである。これについて山本氏は 「当初は、ただ可愛いだけの服は世の中にたくさんあるから、tactorでやらなくてもいいと 思っていた。しかし、今は自分の感覚に正直になり、tactorを着てくださっている方が可愛 いと思えるフェミニンなものも提案したいと思えるようになった。」とコメントした。
Brand: tactor