2019年10月、kaiki(カイキ) 2020年春夏コレクションの展示会が渋谷のギャラリーOZ studioにて開催され、新作発表が行われた。
今期はマイナーチェンジをしているが、大きな変化をつけてはいないのが伺える。例えば、無地のセットアップはゆったりとしたシルエットになっていて、パンツは靴下を魅せる9部丈というkaikiらしいアイテム。定番となっているワンピースは色気を考慮し、無地から柄物、艶のある生地を使用していることがわかる。
ここ数シーズンkaikiが意識している“色気”。デビューコレクションでは色気に重きを置いていなかったそうだ。デザイナー飯尾氏は「デビュー当時より女性が着るシーン(場面)を広く考えるようになった」とコメント。
20年春夏シーズンでブランドスタートから9シーズン目を迎えた今期は展示会でフォトインスタレーションを行った。かねてよりシーズンごとのイメージフォトにこだわっていだが、SNSを通じて消費されていくことにもどかしさを感じ、イメージフォトを大きく印刷し、現像したものを実際に見てもらいたいという思いから写真展として開催したという。
kaikiのフォトは服を魅せるより、モデルの生活に溶け込むような「日常」を切り取っている。筆者は今期のイメージフォトを”女性と遠くに出かけた記録”という印象を受けた。フィルムの温かみと物思いにふけるモデルの表情にノスタルジーを感じる。それはコレクションのアイテムにも現れている。この機会にデビューからのアーカイブを振り返ったとのこと。
カメラマンは前回と同じ青木柊野氏。そしてモデルには最近女優としても大活躍をしているモトーラ世理奈氏、kaikiのデビューコレクションでモデルを務めたことから今期、再度オファーした。5年前、まだ無名であった彼女を採用した飯尾氏は先見の明があるといえよう
Brand: kaiki