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NATSUMI ZAMA 2020SS Collection

2019年10月NATSUMI ZAMA(ナツミザマ) 2020年春夏コレクションの展示会が渋谷のギャラリーOZ studioにて開催され、新作発表が行われた。テーマは「symmetry」

今期はアイテムを9型に絞ってコレクションを展開。シャツ・シャツワンピース2型・ジャンパースカート・スカート・ジャケット・パンツ・コート2型と定番的なアイテムが揃う。ユニークなのはどのアイテムも半身ずつ販売していることだ。左右2つ合わせて1つになるデザインになっているためテーマどおり「左右対称」となっている。また服として違和感のないように前後も同じデザインとなっている。筆者が特に面白いと感じたのは服の買い方だ。気に入れば1着そのまま買うことも可能だが、シャツとワンピースの半身ずつ買い、アイテムを好みにカスタマイズできる。勿論半身だけ買うことも可能。買い方を着る人に委ねており、多様であることだ。

前期のレポートに書いた絵本の題名のようなユニークなテーマ性とは異なり、今期はとてもコンセプチュアルである。デザイナー座間氏が2011年にロンドンで発表した服の前身頃と平面の布と合わせた作品、「project : 2 → 3」がある。大きな四角い布の中にまるで服が浮いているように見えるルック。着ると後ろ身頃が肩のラインから意図しないドレープができるというコレクション。これは実際に販売はしていないが、WEBで発表したところ海外での反響が大きかったという。その後日本で初めて展示した作品「project : 1-2-3」では、トップスの丈を徐々に長くしてワンピースになるというような、一つのアイテムから3段階の展開を見せていくコレクションを発表していた。デザイナー座間氏の原点は、コンセプチュアルで実験的な作品であった。
なぜ2020年春夏コレクションで、原点に通じるデザインにしたのか。
座間氏は「私のブランドだからこそできる服の面白さを提案したいと考えた時、原点である実験的なコレクションを発表したいと思った。そして何より私自身そちらの方が好きなんです。」とコメントした。

半身で販売することを定番化して、今後も発表する予定。よりバリエーションを豊富にすることで、新しいアレンジが増え、着ることの楽しさがより一層深くなることだろう。

Brand: NATSUMI ZAMA

Text by Keita Tokunaga