2019年3月23日、koll(コール)は青山ポリゴンにて、2019年秋冬コレクションを発表。ブランド初となるショーをプレゼンテーション形式で行った。
会場には古典的な洋風家具が並ぶ。モデルは一人ずつ、ステージのソファーでくつろいだり、書斎で手紙を書いたり、ドレッサーに向かい口紅を塗ったりと女性の生活を感じさせる演出が続く。BGMはシャンソンの代名詞とも言えるアーティスト、エディット・ピアフ。まるでフランスのフィルム映画に入ったような世界観だった。
今季はレトロなアイテムでイメージを統一。フリルをふんだんにあしらったシャツは首元とウエストを紐でくくるデザイン。またブラトップはクラシカルな留め具、シースルーのワンピースにコルセットのデザインが施されている。花柄のセットアップは落ち着きのある配色でどこか懐かしさを感じる。クラシカルなアイテムにシルバーのアームを合わせたり、ジャケットのベルトにPVC素材を使用していたりとクラシックと現代の素材を組み合わせるのがkollならではの表現。kollらしさが継続しているようだ。
kollは前季に、レースのプルオーバーにグローブが付いたアイテムを発表しており、筆者は、それをブランドらしい女性らしさを強調したアイテムであると表現した。デザイナー楠原氏は今季、「古いものには当時の生活があり感情がある。そこに美しさがある」とコメントした。1920〜30年代をリサーチし、その時代を女性らしく美しく生きるための洋服に意味を見出し、思いを込めたのだろう。
Brand: koll
Text by Keita Tokunaga / Translation by Lyuray
