2019年3月、kaiki(カイキ) 2019年秋冬コレクションの展示会が渋谷のギャラリーSISON GALLERyにて開催され、新作発表が行われた。
筆者がkaikiのレポートをスタートした2018年春夏コレクション以前は、ハリのある生地をメインにコレクションを構成していて、よりユニセックスな印象があった。18年春夏コレクション以降は、ドレープを出したラインを作ったり、艶のあるフェイクファーを取り入れたり、落ち着いた色の中に、部分的にビビットな色を取り入れるなどしている。これはデザイナー飯尾氏が、日常の中にある女性らしさを表現したものだが、数シーズンにわたって挑戦してきたこれらの要素を、ブランドなりに昇華させてコレクションとして定着しているようだった。
スタイリングがわかるルックだけでなく、ブランドのイメージを作るポートフォリオを発表。フォトグラファーは弱冠20歳でありながら有名ブランドの写真を撮り、注目されている青木柊野氏。イメージフォトでは、服を良く魅せるというより、モデルの本質を突くかのような、生々しくも、影のある女性像が描き出されていた。
新作コレクションでは普遍的な日常着の中に「影」の雰囲気を作り、女性のミステリアスな魅力を表現。これまでkaikiは若くて素朴さが可愛らしい女性をモデルとして起用していたが、今回はイメージを一転。ブランドとともに客層も大人になっていっているのではないかと感じた。
Brand: kaiki