2018年3月21日ファッションの祭典「Amazon Fashion Week TOKYO」でYOHEI OHNO(ヨー ヘイオーノ)の2018年秋冬コレクションがpolygon青山にて発表された。
会場には椅子、机、スタンドライトなどデザイナー大野陽平氏がセレクトしたデザイナーズ家具が並べられており、その中で新作を着たモデルが寛いでいたり机に寄りかかるなど、プレゼンテーション形式で行われた。これについて大野氏は「より身近に感じて欲しい、そしてより日常に溶け込んだ服を意識した。」とコメント。コレクション全体を見ると色合いをシックに統一、素材はデニムやコーデュロイなど親しみのある見慣れた生地が使われていた。しかし普段私たちが見慣れている生地でも表情が違うように見受けられるのは、インテリアなどインダストリアルデザインの分野から着想し、服に落とし込む事で生まれる構築的なデザインが無機質さを醸し出しているからだろう。
日常に溶け込んだ服というテーマから、装飾を抑えシックなスタイルがメイン。前回のショーではスタイリングやアイテム一つ一つに個性があり、興味を引くコレクションであったが、実際に着るにはハードルが高いと感じるものもしばしば見受けられた。先シーズンでブランドの「未来感」を明記したが、その要素に加えて「現代の女性が着るハードルの高さ」が「未来感」を醸し出していたのだとも改めて感じた。
新作発表がショー形式からプレゼンテーション形式に変わったことで、改めてブランドのオリジナリティとは何か、というのを考えるきっかけとなった。ショーで魅せた”ブランドらしさ”は大野氏のコンセプトを全て洋服に収めていたが、今シーズンは演出や服の装飾を抑え、会場全体にブランドの得意とするインダストリアルな要素を散りばめライフスタイルとして発表することで、大野氏の言う通り、より身近で女性がリアルに着られるものとして提案。演出、ルック数、服そのものから要素が削ぎ落とされシンプルになったことで、大野氏が本当に表現したいことを垣間見ることが出来たコレクションだった。
Brand: YOHEI OHNO