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YOHEI OHNO 2020SS Collection

2019年9月YOHEI OHNO(ヨウヘイオオノ)の2020年春夏コレクションが渋谷のとある一室で発表された。

今回のプレゼンテーションでは、これまでよりも限定された方を招待していた様子だった。会場にはモデルが一人佇んでおり、順次、着替える形式でコレクションを発表。デザイナー大野氏は「気になるアイテムがあればモデルに着てもらいますのでおっしゃってください。」と来場者に声をかける。新しいコレクションをモデルに着せて新作を披露しながらも、デザイナーと来場者と気軽に話せる空気を作っており、コレクションの見せ方として新鮮な時間であった。

今期は、数年続けてきた、ブランドを象徴するフォルムから進展した。より膨らみを持たせるデザインに仕立て、シルクや麻の柔らかな風合いを掛け合わせることで、構築的なフォルムに生活に馴染む柔らかさを提案した。色もパステル調を基準にするが、石や土などオーガニックなものと、ピンクやミントなど人工的な色味を意識的に合わせているところがブランドらしさである。

またメインコレクションとは別に、新しいドレスラインを同時に発表した。新しいラインの発表文にはこう記されていた。

“メインコレクションとは別に、あくまで過去に発表したデザインである。新しいデザインは発表しない、メインと同じデザインは入れない。occasion(特別な出来事・祭典など)での実用性が前提になっている。ファッションブランドらしく年2〜4回新しいものを作って発表するのではなく、同じアイデアを、時間をかけて熟成させていく。現在の販売システムとは別の時間軸を作りたいというビジネスの構造自体をデザインしたいという思い、そしてアーカイブをもっとたくさんの人に着てもらえるポテンシャルを感じるものが多くあったからです。”

ドレスラインの第1弾は8型のオケージョンドレスで色は黒のみで展開。服のデザインから作る工程、発表の仕方、そして販売システムまで自らデザイする、芯の通ったブランドだ。

Brand: YOHEI OHNO

Text by Keita Tokunaga