2018年3月20日から24日まで、koll(コール)の2018年秋冬コレクションの展示会が、渋谷TOCビルの一室で開催され、新作発表がなされた。今シーズンのコレクションテーマは「incompatible」。自然物と人工物の色彩の対比、不調和である存在に着目したとデザイナーの楠原麻由氏はいう。
ブランド名を、DOKOKA KITANO-HOU(ドコカキタノホウ)からkoll(コール)に改名してからの初コレクション。DOKOKA KITANO-HOUでは自然の情景を女性の感情に重ねてコレクションに落とし込んでいたが、kollはより現代の女性をダイレクトに表現しているように感じる。以下は、改名についてデザイナーの楠原氏に訪ねた際に解釈した情景である。「都会の混沌としている日常と、自然の中にある静寂の間、感情に例えるなら強さと切なさの中間であり、強いだけでもなければ、弱いだけでもない。その間で揺れている女性は時に強固であるがとても脆い。」デザイナー楠原氏は「女性は精神的に弱いものだから、服には強いものを提案したい」とコメント。
今シーズンはトレンドであるPVC(ビニール素材)をふんだんに使用している。透明感を生かして未来志向を表現できるだけでなく、ナチュラル素材を際立たせる要素として使われている。また先シーズンはそれぞれのアイテムごとに天然素材と人工素材の組み合わせで使っていたが、今シーズンは天然素材のみで作られたものも提案して、日常生活の中で着飾る表現の幅が広がった。ビビットなイエローに箔プリントを載せたジャケットなど、カラーバリエーションも豊富に揃う。女性だけでなく、原宿にいるような派手なアイテムを着こなす若い男性にもうけそうだ。
Brand: koll
Text by Keita Tokunaga
